その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し

軍争篇

●その疾(はや)きこと風(かぜ)の如(ごと)く、その徐(しず)かなること林(はやし)の如(ごと)く、侵掠(しんりゃく)すること火(ひ)の如(ごと)く、動(うご)かざること山(やま)の如(ごと)し

故に其の疾きこと風の如く、其の徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、知(し)り難(がた)きこと陰(いん)の如(ごと)く、動(うご)くこと雷震(らいしん)の如(ごと)く、郷(きょう)を掠(かす)めて衆(しゅう)を分(わ)かち、地(ち)を廓(ひろ)めて利(り)を分(わ)かち、権(けん)を懸(か)けて動(うご)く。


「その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」についてより詳しく教えてください。

  • いわゆる「風林火山」。この文章は、古代中国の書物である『孫子』において説明されている「将の資質」として言及されています。
  • 「その疾きこと風の如く」:この表現は、将の行動の速さと迅速さを表しています。風は急速に移動するため、風のような素早い行動が求められるという意味です。将は戦場で迅速に判断し、敵に対して迅速に反応しなければなりません。
  • 「その徐かなること林の如く」:この言葉は、将の行動の慎重さと静けさを表しています。林は静かで落ち着いており、将も冷静さを持って行動しなければなりません。将は状況をじっくりと見極め、計画的に行動する必要があります。相手の知りたいことを知られないようにするためには、暗闇の中に隠れているような静けさが必要です。
  • 「侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」:この表現は、将の攻撃力と堅実さを表しています。将は戦場において敵を攻撃し、侵略する役割を果たさなければなりません。その攻撃の動きは雷神の如くです。火は破壊力があり、山は右往左往することなく動かないため、将は堅実に攻撃を行い、動じることなく敵に立ち向かわなければなりません。
  • 「知り難きこと陰の如く、動くこと雷震の如く」:相手の知りたいことは陰にように見えなくして隠し、動くときは雷が落ちたように見せて相手を震え上がらせるという意味を表しています。
  • 「郷を掠めて衆を分かち、地を廓めて利を分(わ)かち、権を懸けて動く」:これは現地より物資を調達して兵に分け、土地を広めてその利益を兵に分け、力をつけていくことを表わしています。
  • この文章は、将の資質を要約しており、将の行動原則としての速さ、慎重さ、攻撃力、堅実さが重要であることを強調しています。これらの資質を持つ将は、戦場において優れた指導者となることが期待されます。

「その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」の実戦での実例にはどのようなものがありますか?

  • 山の如しの実例:過酷な状況下での長期戦。例えば、第二次世界大戦におけるソ連の勝利は、山の如しの堅牢な防衛姿勢や持久戦の戦術を示している。
  • 風の如くの実例:素早い攻撃や侵略。古代のモンゴル帝国による急速な拡大は、風の如くの行動を象徴している。
  • 火の如くの実例:敵対勢力への速やかな侵略や破壊。例えば、古代ローマ帝国の戦術は、火の如くの攻撃力を示していた。

「その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」を日常生活と仕事の中に分けて、どうやって活かしたら良いか教えてください。

日常生活での活用:

  • 時には疾きこと風の如く、目標や目的に向かって迅速に行動することが大切です。急な状況変化や重要なタスクに対応する際に、素早く決断し行動することが求められます。柔軟性を持って行動することで、効率的に日常の課題をこなすことができます。
  • 一方で徐かなること林の如く、落ち着いて情報を収集し、慎重に計画を立てることも重要です。物事を深く考え、慎重に行動することで、無駄なミスを減らし、より良い結果を生み出すことができます。

仕事での活用:

  • 侵掠すること火の如く、競争相手に対して積極的に市場や顧客を奪い取る動きを見せることが必要となります。市場での存在感を高めるために積極的な営業活動やマーケティング戦略を展開し、競争力を維持することが求められます。
  • 動かざること山の如し、着実に成果を上げるために着実に行動し、一定のポジションを保つことが重要です。組織やチームの安定性や信頼性を築くために、着実な進化や改善を行いながら、安定したビジネスを展開することが求められます。
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