●先（ま）ず勝（か）つべからざるをなして、以（も）って敵（てき）の勝（か）つべきを待（まつ）つ
軍形篇
一
孫子曰わく、
昔（むかし）の善（よ）く戦（たたか）う者（もの）は先ず勝つべからざるを為（な）して、以って敵の勝つべきを待つ。
勝（か）つべからざるは己（おの）れに在（あ）るも、勝（か）つべきは敵（てき）に在（あ）り。故（ゆえ）に善（よ）く戦（たたか）う者（もの）は、能（よ）く勝（か）つべからざるを為（な）すも、敵（てき）をして必（かなら）ず勝（か）つべからしむること能（あた）わず。故（ゆえ）に曰（いわ）く、勝（かち）は知（し）るべくして、為（な）すべからず、と。
「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」についてより詳しく教えてください。
- この教えは、戦略思考に関連するものであり、戦いにおいて勝利を収めるための重要な教えを示しています。
- 先ず勝つべからざるをなして。この部分は、「まず自分が勝利する態勢をつくる」という意味です。戦いや競争の場において、最初に自分自身や自己の能力を高めることが重要であるということを表しています。 自己のスキルや能力を向上させることは、勝利のための基礎を築くと言えます。自己啓発やトレーニングなど、個人的な成長を促すことが求められます。また戦略を立て、その戦略に対して十分な対応力を準備することも大切です。
- 以って敵の勝つべきを待つ。この部分は、「敵の弱点や相手の不利なタイミングを利用する」という意味です。相手の動向を見極め、相手が勝つ可能性のある要素を分析することで、自分の戦略を最適化し、勝利につなげることが重要です。これは、戦術的な視点や洞察力を養うことを意味しています。敵の弱点や限界を見透かし、そこにアプローチすることで、勝利を確保することができます。
- 以上の教えからもわかるように、この教えは戦略や競争における勝利を追求するために必要な考え方を示しています。自己の成長と相手の弱点を見極めることで、最大限の効果を引き出し、成功を収めることができるのです。
「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」の実戦での実例にはどのようなものがありますか？
- 戦国時代における武将の実戦での実例として、織田信長が「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」の戦術を用いたことがある。信長は敵を動きを待ち、タイミングを見極めた後に自らの戦略を練り、勝利を掴んだ。
- 現代のビジネスシーンにおける実戦での実例として、競合他社が新商品を投入した際に、競合の新商品に対抗して急いで同様の商品を打ち出すのではなく、「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」戦略をとり、競合商品の受け入れ具合や市場の変化を見極めた後に自社の戦略を決定する例がある。
- スポーツの試合における実戦での実例として、チームが相手チームの試合展開を見極めてから自らの戦術を練る例が挙げられる。特に相手チームのプレースタイルや選手の特徴を見極めた上で、自分たちの攻略策を練ることが、勝利に直結する場合がある。
「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」を日常生活や仕事の中で、どうやって活かしたら良いですか？
日常生活での活かし方：
- 自己改善：まずは自分自身の弱点や課題を見つけ、それを克服することから始めましょう。自身の成長や進歩に取り組むことで、他人に対しても優位な立場を築くことができます。
- 戦略的な思考：敵の勝つべきを待つとは、相手の行動や意図を見極めながら自分の行動を選択することです。日常生活では、人間関係や意思決定においてこの考え方を応用することができます。相手の立場や意図を理解し、効果的な対策を講じることで、勝利に近づきます。
- 根気と忍耐：勝つべき時まで待つためには、根気と忍耐が必要です。日常生活では、困難な状況や挑戦に直面した際に、自己制御を保ちながら着実に目標に向かうことが重要です。焦らずに努力し続けることで、最終的には成功を収めることができます。
仕事での活かし方：
- リサーチと分析：競争の激しいビジネス環境においては、相手の動向や市場のトレンドを把握することが重要です。先ず勝つべからざるをなしている間に、敵の攻撃を予測し、自社の競争力を高めるための戦略を練ることが大切です。
- チームの強化：仕事場では、自身だけでなくチーム全体が勝利に向けて働く必要があります。以って敵の勝つべきを待つ態勢を整えるためには、メンバー間の連携や情報共有を重視し、効果的なチームビルディングを行うことが重要です。
- 長期ビジョンを持つ：先ず勝つべからざるをなして、敵の勝つべきを待つという考え方は、単なる一短期的な目標に囚われるのではなく、長期的なビジョンを持つことを意味します。仕事においては、将来の展望を見据えながら計画を立て、リーダーシップを発揮することが求められます。
- これらのポイントを日常生活や仕事で活かすことで、より効果的な意思決定や目標達成を実現し、成功に近づくことができます。
